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【週刊・読書北海道メール版】 復刊第79号(通巻210号) 2000/08/08発行
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<お知らせ>
夏期休業のため8月15日、22日の発行は休ませていただきます。(編集部)
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=====【今週の目次】=========================================================
〔Colum:本と批評〕
1)月刊漫画時評14(阿部 幸弘)
福本伸行『無頼伝 涯(がい)』(講談社、 390円)
〔News:本の情報〕
2)新聞書評インデックス−2000年8月6日掲載分
3)今週のベストセラー−札幌市中央区編
〔Colum:北海道の本と文化〕
4)北海道自然・環境ウオッチング13(島田 明英)
北海道発・不思議探求マガジン『ヌプカ』創刊号(ウィルダネス、 743円)
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〔Colum:本と批評〕
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●月刊漫画時評14(阿部 幸弘) 少年マンガの新たな息吹
福本伸行『無頼伝 涯(がい)』(講談社、 390円)
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◆孤立こそをアジテート◆
「カイジ」で一気にブレイクし、あれよあれよと言う間に今や一流人気マンガ家に
なってしまった福本伸行が、少年誌(マガジン)に連載をしている。コミックスの1
巻目が出たばかりの『無頼伝 涯(がい)』(講談社、 390円)がそれだ。冒頭、い
きなりのナレーションが始まる。「孤立せよ…」「人は…/世界が…バラバラに…/
バラバラになれと…まかれた種だっ!/だから…」「孤立せよっ…!」「散れっ…!」
少年に友情や連帯を説くどころか、逆に孤立こそをアジテートするこの言葉を前景
に、物語の視線は、都会の片隅をなぜか裸足で逃げ回るうす汚れた少年を追う。殺人
未遂で追われる少年−−それが、この物語の冒頭で主人公に与えられたアイデンティ
ティーだ。
展開が今後どうなるのかは、コミックス1巻の時点ではまだ分からないが、設定と
して以下の条件が見えてくる。まず、涯は殺人を犯していないと主張していること(
読者にもその真相は分からない)。しかし、決定的に不利な立場にあること。どうや
ら彼の無罪を証明できる者は、本人以外に居ないらしいこと。そして、元来孤立無援
だった彼だが、今回の状況は今まで以上に誰の援助も得られない、極端に孤立した場
所であること。無罪を勝ち取るための、己の闘いは、そこから始めるしかないこと。
この、勝ってもせいぜいマイナスをゼロに持っていくだけにしかならない、非常に
精神的な消耗を伴う闘いは、福本作品においては珍しくない状況設定だ。負ければ奈
落の底が口を開けている。要するに、主人公は背水の陣に立っており、闘わなければ
死(少なくとも社会的な)あるのみ、ということなのだ。
唐突だが、この作品を読んでいて、何となくピンとくるものがあった。「カイジ」
以上にこの作品は、少年の読者を巻き込んで盛り上がるかも知れない。そう思った。
こんなに夢も希望もなく、惨めな立場に置かれた主人公なのに、どうしてだろう?
ここで少し、個人的なことを振り返らせていただく。一昨年の『広告批評』3月号
で、「クリエイターmap 1998」という特集があり、そのコミックの欄を担当させてい
ただいた私は、「これからの日本の文化的空気を作り出してくれるであろうクリエイ
ターの今日の天気図」を書くために、独断と偏見で10人のマンガ家を選定した。その
時、純粋な少年マンガのフィールドから撰んだ作家はただ一人、西条真二のみであっ
た(福本伸行も入っていたが、当時は青年マンガ系)。西条の作品は「鉄鍋のジャン
!」だ。この作品の、バトル系料理マンガという全体構成そのものは別段珍しくはな
かったが、主人公の超絶技巧を持つ料理人・秋山醤(ジャン)の性格設定が異形で、
少年マンガの閉塞を破るヒントでないかと直観したからだ。「主人公が料理を勝つた
めの道具としか考えておらず、ハッキリと悪役なのがイイ。この危ないキャラは、少
年マンガの正義で凝り固まった世界観を、自由な空間へ解き放ってくれるかも知れな
い」というのが、当時の私のコメントだ。今回の福本の新連載は、この時感じた少年
マンガの新たな息吹の、発展形にあたるように筆者には思えるのだ。
◆形骸化した社会的価値観◆
あえて大雑把に言ってしまおう。少年マンガの主人公たちは、それこそ“友情、努
力、勝利”ではないが、これまでほとんど、常時、社会の方向付けたスローガンと共
にあったと言えるだろう。もちろん、社会が引いたレールから外れて、その意味では
敗北してしまった不良たちの系譜の少年マンガも連綿と存在する。しかしそこでは、
例えば、ヤンキーであるがゆえの決して仲間を裏切らない熱い美意識など、スローガ
ンはむしろ、より古色蒼然たるトラディショナルなものに還って行く。
つまり少なくとも少年マンガを見る限り、少年とはどう転んでも、社会が認めるな
にがしかの価値を身につけ、“一人前の男”になるべく試される存在なのだ。ある者
はスポーツに打ち込んで世界を目指し、またある者は友情のためならどんな危険な状
況にも身を呈して来た。彼らが様々な試練を乗り越え、人生を生き抜いたその究極の
完成形を、仮にマンガの世界から選んでくるとしたら、もしかした「島耕作」シリー
ズになるのかなと思ったら、筆者は原稿を書きながら思わず失笑してしまった。これ
は、なかなか結構な悲喜劇ではないだろうか。
だって、日本の社会のインフラが変わってしまって久しいではないか。バブル崩壊
以降、親も教師も、もちろん子ども自身も、“いい学校、いい会社、いい人生”など
とは、誰も信じていないに違いない。それまでだって疑問のある考え方だったけれど
も、何より今では、大きな企業があちこちでパタンと倒れるのは、別に驚きではなく
なった。最近はそれに加えて、何か不祥事があるたびに企業の対応の不味さがバレバ
レで、内部的な体質の腐り加減が社会の構造変換に、まるで追いついていないことが
見え見えになっている。
たとえ複雑なことは理解できなくとも、少年たちがこれらの現象を見ていないはず
がない。要するに、スローガンの無効が子供たちにバレバレなのだ。ただ現状では奇
妙なことに、彼ら少年たちは、何らかの意味で“一人前の男”になることを強いてく
るシステムに未だ置かれている。要はそれは、勢いのついた弾み車が自分では止まれ
ないという、現象としては実に下らないものでしかないのだが。そんな毎日を過ごし
ているであろう少年たちが、形骸化したスローガンに疑問を感じない方がおかしいく
らいのものだと筆者は思うが、いかがだろうか。
◆本物の連帯を求めて◆
さて、時代状況に敏感に反応すると言われ続けて来たマンガだが、果たしてここで、
何らかの突破口を見つけられるだろうか。明解な正義などあり得ない現状の下、それ
でも少年マンガに夢のある主人公を生み出そうとしたら、一体何が可能だろうか?
当然、社会の押しつけてくる価値をいったん括弧に入れて、自分なりの価値を模索す
る、独自の主人公こそが求めらるのではなかろうか。そして、そのような主人公は、
ある方向から見れば、いかにも悪人に見えるに違いない。彼らの価値観は、非常に個
人的で見通しにくいからだ。
しかし、読者がもしも、“『無頼伝 涯』の主人公と同じ立場に自分が立たされた
ら”と考えるとすると、物語への共感は一気に普遍化するとも言える。「カイジ」で
は多少なりとも青年たちにそれが起こったからこそ、作品が大ヒットした。時期尚早
でなければ、少年の読者が、自分の立場を主人公・涯と重ね合わせて物語を読む可能
性がある。少年マンガのピカレスク・ロマンが成立するのでないかと予感するのは、
そのような理由からだ。
ちなみに、福本の作品は一見、連帯を求めず孤立をすすめることから、冷たい印象
を持つ人も居るかも知れない。しかし、読んでみれば簡単に分かるように、どの作品
も、実に熱いロマンティックな作品である。福本の嫌うのは、嘘の連帯である慣れ合
いや甘えだ。(社会的な責任を考えず、企業や自分のセクションの保身だけを真っ先
に考えるオヤジたちは、この嘘の連帯をずっとやってきたのだ。)裏返せば、表面上
冷たく見える分だけ、ギリギリの状況の下捨て身で相手を信じる、本物の連帯を求め
ているのが福本のマンガなのだ。そして、その隠されたロマンにこそ、彼のマンガ家
としてのポピュラリティーがある。(蛇足だが、ロマン的な体質を表面上極力排除す
る必要があるからこそ、福本作品のキャラクターたちは、ギャグマンガかと見まがう
ほどに、カクカクとしたモアイ像のような幾何学的な顔の輪郭を与えられることにな
る。)
最後に、これは本当の蛇足。「リストラ後島耕作」なんて言う作品も読んでみたい
気もするが、皆さんいかがだろう。「別に偉くなくてもいいんだって」と、男たちの
肩を軽くたたき、慰め、勇気付ける作品を、誰か描いてもいいのじゃなかろうか。で
もその役が、バブルの頃に後腐れのないセックスをしてくれた小料理屋の女将だった
りすると、馬鹿馬鹿しくなって本を捨ててしまうかも知れないな。少年マンガ云々の
前に、サラリーマン系のマンガの変質も起こってくるべきだが、それが表だって見え
ないことに、オヤジたちのどうしようもない鈍さがあるような気もする。
☆筆者の阿部幸弘(あべ ゆきひろ)氏はマンガ評論家、精神科医。現在、『鳩よ!』
にコラムを連載しているほか『ガロ』『ユリイカ』『週刊読書人』『北海道新聞』な
ど多くの雑誌、新聞にマンガ評論を執筆している。
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〔News:本の情報〕
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▼新聞書評インデックス (2000年8月6日掲載分)
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○北海道新聞○
魚住昭著『渡邉恒雄 メディアと権力』(講談社)−評者・小笠原信之
吉本隆明ほか著『中学生の教科書』(四谷ラウンド)−評者・芹沢俊介
Y・B・マングンウィジャヤ著『イリアン 森と湖の物語』(木犀社)−評者・池上
重弘
田中小実昌著『天国までぶらり酒』(実業之日本社)−評者・川本三郎
佐藤俊樹著『不平等社会日本』(中公新書)−評者・高橋洋児
○朝日新聞○
星野智幸著『目覚めよと人魚は歌う』(新潮社)−評者・久世光彦
木村剛著『通貨が堕落するとき』(講談社)−評者・真渕勝
産経新聞特集部著『検察の疲労』(角川書店)−評者・太田弘子
マルティン・アウアー著『ファーブルの庭』(NHK出版)−評者・長谷川眞理子
ローリー・ムーア著『アメリカの鳥たち』(新潮社)−評者・川上弘美
冨田均著『東京私生活』(作品社)−評者・松山巌
○日本経済新聞○
秋野豊著『ユーラシアの世紀』(日本経済新聞社)−評者・山内昌之
黒井千次著『羽根と翼』(講談社)−評者・菅野昭正
長部日出雄著『二十世紀を見抜いた男』(新潮社)−評者・鶴見俊輔
ベンジャミン・コーヘン著『通貨の地理学』(シュプリンガー・フェアラーク東京)
−評者・岡部直明
グンター・パウリ著『アップサイジングの時代が来る』(朝日新聞社)−評者・植田
和弘
○毎日新聞○
丸谷才一著『闊歩する漱石』(講談社)−評者・山崎正和
多木浩二著『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』(岩波現代文庫)−評者
・張競
ダグ・ガー著『IBMガースナーの大変革』(徳間書店)−評者・森谷正規
梅棹忠夫著『近代世界における日本文明』(中央公論新社)−評者・京極純一
ビートたけし著『僕は馬鹿になった。』(祥伝社)−評者・向井敏
島村菜津著『スローフードな人生!』(新潮社)−評者・杉浦日向子
○読売新聞○
吉原欽一編『現代アメリカの政治権力構造』(日本評論社)/松尾弌之著『民族から
読みとく「アメリカ」』(講談社選書メチエ)−評者・竹田いさみ
アンドレー・グンダー・フランク著『リオリエント』(藤原書店)−評者・山本博文
イタロ・カルヴィーノ著『水に流して』(朝日新聞社)−評者・川村二郎
浜下武志著『沖縄入門』(ちくま新書)−評者・猪木武徳
レジナ・E・ヘルツリンガー著『医療サービス市場の勝者』(シュプリンガー・フェ
アラーク東京)−評者・馬場錬成
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▼今週のベストセラー ◇札幌・リーブルなにわ(2000年7月30日〜8月5日)調べ◇
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1 西村京太郎著『十津川警部「裏切り」』(角川書店)762円
2 柳美里著『命』(小学館)1238円
3 宮部みゆき著『あやし(怪)』(角川書店)1300円
4 茅田砂胡著『スカーレット・ウィザード 3』(中央公論新社)857円
5 木谷恭介著『東北三大祭り殺人事件』(角川春樹事務所)800円
6 アラン・ピースほか著『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)160
0円
7 中山庸子著『今日からできる なりたい自分になる100の方法』(幻冬舎)1300円
8 B・シュリンク著『朗読者』(新潮社)1800円
9 佐高信ほか著『お笑い創価学会 信じる者は救われない』(光文社)1200円
10 宝島編集部編『VOW 12』(宝島社)857円
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〔Colum:北海道の本と文化〕
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★北海道自然・環境ウオッチング13(島田明英) 自然関係雑誌発行の難しさ
おもしろ・不思議探求マガジン『ヌプカ』創刊号(ウィルダネス、 743円)
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◆自然関係の記事に多くの頁◆
新しい雑誌が発刊された。「北海道発、おもしろ・不思議探求マガジン」と銘打っ
た『ヌプカ』創刊号(2000年7月1日発行)である。自然を前面にうたった雑誌では
ないが、自然関係の記事が多くを占めているので取り上げてみた。
A4判程度の大判の雑誌で、96ページ。全体の半分がカラーページ。
まず、創刊大特集で大雪山が取り上げられている。大雪山全体の簡単な紹介のあと、
旭岳〜黒岳、銀泉台〜赤岳など代表的な七つの登山コースがそれぞれ見開き2ページ
で紹介されている。このあたりはちょっとした登山ガイドブックのようだ。
大雪山特集の第2部としては、ネイチャーガイドをやっている塩谷秀和さんのイン
タビュー。塩谷さんの人物紹介といった内容。
また、大雪山の山々の名前の由来を辿るという記事もある。大雪の山にその名を残
す先人たち、間宮林蔵、荒井初一、大町桂月らの紹介である。中でも植物学者、小泉
秀雄について詳しい。
自然関係の記事では、「えりも岬ゼニガタアザラシものがたり」をえりも町在住の
写真家、倉沢栄一氏が、「キタキツネとのつきあい方を考える」をフリーランス記者
の平田剛士氏が寄稿している。
自然関係以外では、鰊漁の盛衰、鰊番屋の暮らし、漁場(場所)制度などについて
まとめた「鰊繁盛記」、最近のSL復活の話題を取り上げた「復活する蒸気機関車」、
銭湯にスポットを当てたユニークな小樽ガイド「小樽時間旅行 銭湯開始」などがあ
る。
「鰊繁盛記」は漁場の親方や場所請負人の子孫らへのインタビュー、現存する番屋
のガイドなども含み、北海道開拓の重要な役割を果たした鰊漁についてよくまとまっ
ている。
前書きに「今、出逢わないと間に合わない」とある「…銭湯開始」は、失われつつ
ある町並みを再発見しようという目の付け所が勝負の企画だ。実際に足を運んでみれ
ばその魅力が分かるのだろうが、紙面からは今ひとつ私には伝わらなかった。
これら大きな記事の間に、「釧路川と戯れる」「ウニに惚れる」など小さな記事や
コラム、エッセーがはさまり1冊をなしている。
以上主要な内容を紹介してみた。それぞれの企画や記事はそれなりの完成度をもっ
ていると思う。大雪山のガイドなどは、既存の多数のガイド等から見て目新しさはな
く不満が残るが、鰊漁の記事にしても大雪山の山名を辿る記事にしても、力の入った
ものだということがよく分かる。
◆制作スタッフの意気込みと売れ行き◆
以前、フィールドグラフィックマガジン『ライズ』(ギミック)を取り上げた際に
も書いたことだが、自然関係の雑誌は次々と廃刊、休刊に追い込まれ、絶滅寸前とい
った状況にある。『ヌプカ』は自然をもっぱらに取り上げるものではないにしろ、ま
じめに自然関係の記事を載せる雑誌が刊行されたことは、個人的には歓迎したいし応
援もしたい。ただ、『ヌプカ』がどれだけ受け入れられるか(売れるか)を考えると、
難しいだろうと考えざるを得ない。
これはどのような読者を想定した雑誌なのだろうか。ウニの記事など見ると、飛行
機の機内誌のような作りだ。うまそうな折詰めのウニの写真を見開きで使い、パラパ
ラと読み飛ばせそうな記事である。一方、鰊や大雪山の山名の記事はずっしりと重く、
資料的価値さえ認められるものである。これらの重い記事は、初期の『ライズ』を思
い起こさせる。
『ライズ』は重い雑誌であった(実際の重量や価格も含め)。その重さ、すなわち
制作スタッフの力の入り方、思い入れ、気合いといったものが、少数だが熱烈な読者
を引きつけていた。
『ヌプカ』では、そのような重い記事と軽い記事のバランスが意図的にとられてい
るのであろう。その分広範囲の読者に読まれることを期待して。内容も自然関係に限
らず、北海道の面白いものを広く取り上げている。北海道をこれまでよりももう少し
深く、もう少し違った視点で紹介したいという意図も分かる。しかし、普通の人(大
雪山やSLや鰊に特に興味のない人)が 780円で買うだろうか。普通の人がパラパラ
読むには重すぎる。
個人的にはコラムなど小さな記事で、山小屋管理人や郷土料理店主、北海道開拓使
の会スタッフなどいろいろな人が書いているのが面白かった。内容というより、北海
道への様々な関わり方がみえるという点で。
なお、誌名「ヌプカ」は、アイヌ語で平原、草原の意味だそうだ。
☆筆者の島田明英(しまだ・あきひで)氏は、札幌の自然ウオッチングセンター代表。
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